米国遺族年金の日本における相続税の注意点

米国遺族年金に日本では一括して相続税がかけられるのですが注意すべき点などまとめてみました

米国遺族年金の相続税

米国遺族年金には日本で相続税がかかることを知りました 最も注意すべき点は相続税がかかることを知らないであとから過少申告加算税込みの相続税を請求されることです


米国遺族年金が日本で相続税の対象になることを知った時の記事はこちら

米国年金の遺族年金には相続税がかかる問題

そしてこの相続税の恐ろしいのは相続人が平均寿命まで生きると仮定してその全額に相続税がかかるということです 貰ってないものにも相続税を払えということなので不服申し立てしている人もいるくらいです ただ、該当者が多いと思われるのに不服申し立てしている人の数が少ないことが気になりました おそらく米国遺族年金の受給者であっても非課税になる方が大多数なのではないかと推察しています

相続税の配偶者減額について

日本では配偶者の相続税について軽減される仕組みがあります 以下のどちらか額が大きい方の金額が免税されることになっています 詳しくは 国税庁のリンク をご覧ください

  • 1億6千万円
  • 配偶者の法定相続分相当額
このことは当然知っていましたが、ここに遺族年金が加算されることを知らなかったのです おそらく追徴されている方は遺族年金が相続税対象と知らずに、遺族年金を加えると1億6千万円を超えてしまったか、配偶者の法定相続分相当額を超えてしまったのだと思われます 

米国遺族年金を受給してもかなりの方が1億6千万円を超えないので相続税の対象になっていないのかもしれません ただし、1億6千万円以上の相続が予定されている方は将来受給する米国遺族年金も含めて相続税対策をしておく必要があると思います

米国に住んでいても相続税がかかる場合

相続時に日本に居住していなくてもすべての資産が課税対象になる場合があります 詳しくは国税庁のサイトをご覧ください リンクは画像の下

黒塗りの部分が課税対象者


夫婦ともに外国籍であっても10年以内に日本国内に住所があった場合は相続税の対象になる場合があるので注意が必要です


米国遺族年金が貰えない場合

そもそも米国遺族年金の受給資格がない、または貰う必要がない場合は相続税の心配はいりません 我家の場合は私が先に亡くなっても夫は遺族年金より自分の米国年金の額が大きいので遺族年金に切替はありません そのまま自分の年金を受給するので問題なしです

夫婦で受給している(または将来受給する)米国年金の額が大きい方が先に亡くなった場合は残された方が遺族年金に切替えると相続税の対象になりますが、自分の米国年金を受給している場合は遺族年金の額が大きい場合に限って切替可能なので手続きを自分でします その際に日本の相続税も考慮して、遺族年金に切替ない選択もあるかと思われます 自分の年金と遺族年金の差が大きくないのであれば、どっちが得か熟慮して決めるべきです 相続額が1億6千万円以下に収まるのなら遺族年金に切替ても問題ありません


注意が必要なのは配偶者年金

最も注意が必要なのは既に配偶者の年金を受給している方です 配偶者年金は本人受給額の50%が支給されます これは満額の50%なので繰り下げ受給して増えた分は反映しません 配偶者年金を受給している時に配偶者が亡くなった場合は、死亡届が受理された時点で遺族年金に切り替わります 自分では手続きをするわけではないので相続税の申告を思い至らない方が多いのだと思われます 

配偶者が亡くなると死亡届が受理された時点で遺族年金に切り替わるというのはSSAのサイトに明記してあります

  • If you already receive benefits as a spouse, your benefit will automatically convert to survivors benefits after we receive the report of death.
  • If you are also eligible for retirement benefits, but haven't applied yet, you have an additional option. You can apply for retirement or survivors benefits now and switch to the other (higher) benefit later.
  • For those already receiving retirement benefits, you can only apply for benefits as a surviving spouse if the retirement benefit you receive is less than the benefits you would receive as a survivor.リンク元

自分の年金と配偶者年金のどちらも受給資格がある場合はたくさん貰える方の年金を申請しますが、配偶者年金を選択すると配偶者が亡くなった時に自動的に遺族年金に切り替わるということを覚えておく必要があります 駐在員の方で米国年金受給資格がある場合、配偶者年金も貰えますので当然、遺族年金も受給することができます 月額は大したことがなくても平均年齢まで生きると仮定して一括で課税されるので、相続額が1億6千万円を超えると相続税の対象になることを知っておきましょう

死亡届

日本で米国籍の方が亡くなった場合は、在日米国大使館か領事館に死亡届を提出します 米国年金受給者が亡くなった場合の死亡届も在日米国大使館年金課に提出するようになっています

まとめ

遺族年金を受給する可能性がある場合は、将来の相続税について考えておく必要があります 何年も経ってから過少申告加算税も付けて相続税を請求されることのないよう申告は忘れずにしておきましょう 


コメント

  1. この問題がずっと気になっていたので、続報ありがたいです。とても参考になりました。これからも何か情報ありましたらよろしくお願いします。

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    1. yuyuさん:

      相続税が一括請求というのは納得がいかないので申し立ての成果で今後改正されることに期待したいです 

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  2. この問題は数か月前に何かで読んで気になっていたのですが、遺族年金に対して相続税を”前払い”すると、毎月もらう年金の所得税は支払い免除になるのでしょうか?日本の遺族年金には相続税がかからないのに、海外の遺族年金には相続税がかかるというのも、納得いかない点です。(外資を持ち込んでいるのに)

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    1. MSさん:

      米国遺族年金は相続税の課税対象なので所得税はかからないとなっています 相続税の非課税枠に収まるのであれば所得税がないのは利点です  相続税非課税か課税されるかであまりにも払う税金が違ってくるのは納得がいかないところです 申し立てしている方々には頑張って頂いて日本の遺族年金と同等に相続税の対象外になるように望みます

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